TYPE : Webブランディング / 寄り添う支援
BRAND : 愛知県名古屋市守山区の日本酒製造・販売

この度ホームページのリニューアルをお手伝いさせていただいたのは、愛知は名古屋市守山区にある、江戸末期の1865年より150年以上の長きに渡り昔ながらの手間暇かけた酒づくり「山廃仕込み」を受け継ぐ酒造・東春酒造さま。

東春酒造株式会社は、江戸末期の元治2年（1865年）に創業者の佐藤東兵衛が酒蔵を建造、「龍田屋」の屋号で酒造りを始めた酒蔵さんです。現在は創業者と当時の屋号より一文字ずつを取り「東龍（あずまりゅう）」という屋号で多くの東龍ファンの心を酔わせておられます。

例えば文字と行は約5年。30倍以上ものその歴史を目の前にして、受け継ぐことの尊さ、そして、ずっと愛され続けて「今」があるという事実に、代々守ってこられたものの大きさと責任のような重みがズシリと、きます。

六代目の当主・佐藤さまの想い

背筋のスッと伸びた佐藤さまは決して口数が多い方ではないけれど、厳しさと優しさ（とユニークさ）が織り交ざった、もっと色々想いを聞きたくなる魅力的な当主さん。
最も印象的に記憶しているのは、150年の歴史を刻み、愛される酒造りをされているにも関わらず、「もっともっと、ずっと酒造りを追求し磨きをかけたい」という想いを伺った時間。
声のトーンが変わったわけではない、いつも通りの厳しさと優しさとユニークの合間に突然、揺るがない真っ直ぐな想いによって純度の高い空気が飽和したような感覚になりました。

撮影の時のこと

繊細な手間、熟成された知恵、真摯に受け継ぐ姿勢。
機械的なもの一切を排除したようにも感じる、丁寧に造られる日本の文化「日本酒」。
神様に会いに行くような気持ちで、酒造りの現場へと、初めて足を踏み入れました。

蒸米の工程が間もなく終わるという頃からの合流。
鼻から一気にお米の甘い香りが体の中に溶け込んでいく。
耳には米を蒸す音だけが響き、図らずも、何か始まる期待感がどんどん高められて、緊張する。
何が起きるんだろうとソワソワしている私と違い、すれ違う杜氏さんたちは飄々と時々準備らしき動きをしながら、「まだだよ、そう焦るではない。」と言っているかのように、落ち着いている。

せめて杜氏さんたちとカメラマンさんの邪魔にならないよう、スムーズないい撮影をしたい。
ならば良い緊張感にしなければと、思わず祀られている神棚にお辞儀し、万事うまく進みますようにと願う。
と、その時は突然くる。

全て人力。
蒸米を何往復もして運び、湯気が収まらない米を何度も素手でほぐしながら放冷させる。
どう考えても時間勝負のその動きには無駄がなく、黙々と、工程が進んでいく。

米の温度が下がるのをじっと待つ。
下がりすぎてもダメということだろう。実際は聞こえない時計の針のカチカチという音が、どこかで鳴っているように感じてくるくらい、時間と向き合う張り詰めた空気。

ひと段落かと思いきや、次は別室のトビラが開く。
出た、麹室だ！
年季の入った木の香りがむわっとくる蒸された麹室（これもまたいい匂い）に、大量の米が人力で運び込まれ、さらにもみほぐされていく。

さらに温度が下がったころ、次なる工程。
杜氏さんたちが「麹菌」を満遍なく振り落としていく。
これができるようになるまでに何年もかかるそうだが、確かに、その動作も眼差しも真剣。狂いなく遂行するという責任を背負っている杜氏さんたちを見るだけなのに、私の背筋は伸びていたと思う。

お酒は生き物なんだな

これまで日本酒は飲んでも「美味しい！おいしい！」と言って飲むだけだった私。
酒造りの工程はいくつもあり、今回撮影に入れたのは残念ながら全部とはならなかったものの、入らせていただいたあの場所には確実に、目には見えない「生きているもの」が居たなぁ、と体感した1日。
そしてその全ての工程において、酒造さん、杜氏さんたちの真っ直ぐな想いと、丁寧な手間がかけられていることを知ることができたことは、とっても貴重な体験でした。

長い年月をかけて守られ、受け継がれてきた先人たちの知恵と知識の賜物「山廃仕込み」で、コクとキレ、そして香り豊かな「うまい酒」。それが東春酒造の造るお酒。

佐藤さんは言います。
「好みのお酒に出会って、日本酒を好きになってほしい。
誰しもの、日常的に楽しめるものであって欲しい。」

どんなシーンにも寄り添えるような、スッキリとした飲みやすい酒造りを目指す東春酒造の「東龍」。
私たちも、皆さまの日常に届けられるよう、サポートさせていただきます！

CLIENT : 東春酒造株式会社
URL : https://www.azumaryu.co.jp/

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